「健やかなる時も、病める時も、私は恭弥を愛し、恭弥を支え、恭弥と共に生きることを――誓います」 シンと静まり返った教会内で、あたしは恭弥の手を握りながら言った。 たった二人の結婚式。 綱吉も隼人もハルも武も骸もクロームも、誰も呼んでいないこっそりとした二人だけの式。 だけど、一番恭弥らしくて思わず口端が上がった。 「健やかなる時も、病める時も、僕はを愛し、を支え、と共に生きることを」 ぎゅっと手を握られた。 「誓う」 順序なんて気にしない。 真っ白なウェディングドレスと、タキシードと、あとは教会があれば十分だった。 ううん、本当は教会なんて無くても良かった。 「恭弥に、誓います」 「に、誓う」 だって、誓うのは神様じゃないんだから。 じっと見詰め合って沈黙して、それから思わず噴出した。 「へへ、へへへ。何かキャラじゃないね」 「ちょっと、雰囲気台無しじゃないか。まぁ、別にいいけど」 そう言う恭弥の顔も笑顔だ。 「えっと、次は指輪の交換だっけ」 「多分そうじゃない?」 牧師すら居ないたった二人の式で、お互いの薬指に銀色の指輪を通した。宝石も付いていない、シンプルでずっとつけていられる指輪。 「次は、誓いのキス?」 「もう?」 揶揄するように笑う恭弥に、つま先で立ってキスを落とした。男性から女性へなんて、そんなこと気にする必要もない。 「一緒に、家族になろうね」 「・・・うん」 あたしの昔からの願いごと。 いつだって、本当に人を自分の中にいれることなんてしないでたった独りだった恭弥に家族を作ってあげること。 それが、あたしの願いごと。 「それじゃあ、誰もいないけどブーケトスしようか」 そう言って、扉を開けた。 「おめでとう、恭弥さん!!」 突然綱吉の声がして、クラッカーの音が響き渡った。 綱吉だけじゃなくて、隼人も武もハルも骸もクロームも了平もリボーンもランボもディーノも、皆皆が居て。 「バレちゃった、みたいだね」 「群れてる・・・」 ふぅって呆れたみたいに言うけど、その口端が上がってた。 「投げるよー」 そう言って、手の中のブーケを思いっきり投げた。 行く先は見る必要なんて無い。 「それじゃあ、このままハネムーンへと洒落込みましょうかっ!」 愛を誓いに、ね! |