ハルがまだ中学生だった頃

大好きなツナさんに 少しでも良く見られたくて 綺麗になりたくて 

 

( 京子ちゃん みたいに )

 

色んな事をしました

 

 



その色が、赤だと知った。


 

 

それはほんの些細な事でした

シャンプーを替えてみたりだとか 色付きのリップクリームをつけてみたりだとか

そうそう 流行の美白クリームとやらも やりまくりましたよ!

 


京子ちゃんを巻き込んで 色んな事をしたんです

お陰で 髪はサラサラになったし 少し小麦色だった肌も白っぽくなりました

 

 

 



あれから もう何年も経ちました

ここはイタリアで 京子ちゃんは  いません

 


ハルは10代目となったツナさんの下で 働いています

そこは情報部といって 結構ファミリーの中枢部分なんですよ?

 

とはいえまだまだヒヨッコなので いつも本部に篭っては 情報をデータ化する仕事をしています


 

 

家に帰るとき以外 本部から出る事はありません

 

 


白かった手は 更に白くなって  

昔望んでいた 「綺麗」な手をした自分が  そこに居ました

 

 

 


でも 何故なんでしょう

 

 

 

 

 

――――――今は己の真っ白な手が厭わしいのです