確かあれは 高校3年の 冬でした
ハルは今でも憶えています
ツナさんが リボーンちゃんと獄寺さんと山本さんと一緒に
イタリアへ行くと言って 連絡もなく一ヶ月も戻らなかった事がありました
ハルは ツナさんが居ないその一ヶ月で
気付いてしまったんです
その色が、赤だと知った。
その頃にはもう
ツナさんがマフィアのボスになるって事も リボーンちゃんがその為に来てたって事も
全部 わかっていました
気付かない振りをしていただけで 別れの時は目の前に迫っていたのに
ハルは 自分がどうしたいのかわからなくて
多分それを悟られていたんでしょう ツナさんはハルに何も言わずに一ヶ月姿を消しました
ああでも 気付いてしまったんです
ツナさんの居ない日々は 胸にぽっかり穴が開いたような空虚なものでした
大好きなケーキを食べても欲しかった服を買っても 心は満たされなかった
ハルはもう
ツナさんのいない生活なんて耐えられない
どうしようもなく救いようもなく 彼が
好き なのだと
離れる事など出来ないと
そう
気付いてしまったんです
報われる必要なんて 無い
ただ ただ 傍に いたかった
ハルは帰ってきたツナさんに 連れて行って欲しいと頼み込みました
渋い顔をして でもすぐどこか諦めたように笑って 最後には 許してくれました
ハル必殺泣き落としが効いたんでしょうか
( 最も 獄寺さんは猛反対したんですけどね
)
だからハルは今 イタリアで ツナさんの下で働いています
望み通りツナさんの近くに居られるのに どうしてこんなに苦しいのでしょう
どうしてこんなに 胸が締め付けられるのでしょう